>>【宇宙大学】12月12日(木)エンジニアリングで切り拓く!宇宙産業の現在と未来の展望 宇宙はおとぎ話じゃない。/(株)たすく CEO 古友大輔氏

【宇宙大学】ECLSS(エクルス)が開く宇宙居住の未来/JAXA宇宙航空研究開発機構 桜井 誠人氏


JAXA特別講演として、宇宙航空研究開発機構(JAXA)研究開発部門 研究領域主幹の桜井 誠人氏にご講演いただきました。

空気再生、水再生、廃棄物処理などの物質循環は、宇宙で生活するには欠かせない技術で、近年、地球上でも注目されています。桜井先生は、これらの技術「ECLSS(エクルス)」の第一人者です。

東京ガス、JAXA、IHIの共同プロジェクト「グリーンイノベーション」では、二酸化炭素からメタンガス(都市ガス)をつくる技術として採用されています。

また、空気再生技術は国立大学の共通試験や人気ドラマ「相棒」にも登場したということで、ECLSSは今後ますます注目される技術になると思います。

講師からのメッセージ

人類は、地球低軌道から月軌道へと生存圏を拡大しようとしています。

人間は一日に600リットル程度の酸素を呼吸し、同体積程度の二酸化炭素を排出しています。
水は一日2.5リットルほど飲料しています。

酸素製造、二酸化炭素除去、空気再生など人間が生存できる環境を維持するシステムは環境制御・生命維持システム「ECLSS(エクルス)」と呼ばれています。
※ECLSS: Environmental Controll Life Support System

生命維持の根幹である水と空気、および廃棄物処理などに関して物質循環の観点から解説します。

桜井先生との思い出ワンシーン


こちらの画像は、2023年に桜井先生が練馬のぶんかサイエンスカフェで「宇宙で生きる 宇宙居住と物質循環」というテーマで講演された時の、終了後の1枚です。(撮影:宇宙大学スタッフ)

記念写真を撮ろうとしたら、桜井先生が急いでカバンからJAXAのロゴ入りシャツを取り出し、少年に着せてあげたできごとが心に残っています。

シャツは1枚しかなかったのですが、この後、左の少年も桜井先生自ら着せてあげ、写真を撮りました。

桜井先生と少年たちの、いたずらっ子のような笑顔がとてもおちゃめな1枚を撮ることができました!

今回の宇宙大学とは関係ないのですが、桜井先生の親しみのあるお人柄が感じられる1枚としてご紹介します。

第110回 気づくセミナー 宇宙大学(動画:限定公開)

■開催日:2024年6月7日(金)

■講演タイトル:ECLSS(エクルス)が開く宇宙居住の未来 宇宙基地を地球環境問題のテストベットに、空気・水再生、廃棄物処理などの物質循環

■告知ページ:https://peatix.com/event/3893948

■講演者:桜井 誠人(さくらい まさと)氏
宇宙航空研究開発機構(JAXA)研究開発部門 研究領域主幹

アーカイブ動画を見る方法

今回の講演のアーカイブ動画は、Peatixから申し込まれた方のみご覧いただける限定公開ですので、以下からお申し込みください。

▼Peatixから申し込む
https://peatix.com/event/4032575/

期間限定公開2024年6月24日~2025年6月18日

講演の内容

ECLSSの分類
【消費型】必要なリソースはすべて地上から補給する
【再生型】空気や水を再生する機能を有し、リソース補給量を削減する
【自立型】植物、動物などの生物を含み食糧生産の機能を有す

ECLSS(エクルス)とは?
人間の標準的な代謝エネルギー
地上での光合成
宇宙空間だと二酸化炭素から酸素をつくる
日本実験モジュール「きぼう」の概要
国際宇宙ステーション(ISS)の概要
ISSの酸素製造器
回転気液分離機(水電解用)
ISSの酸素製造器
ISSの二酸化炭素除去装置
CO2の還元、微量有害ガスの除去
ECLSSの分類
空気再生システムの例
空気再生のバリエーションと物質収支
月面を仮定したミッションコストの重量換算「ESM(Equivalent System of Mass)」
消費型と再生型のミッションコストの重量換算による損益分岐点
水再生(尿処理)熱交換器と気液分離機
ISSにおける水再生の流れ
宇宙船内の水と酸素のリサイクル
地球生態系
ロシアのバイオス3
アメリカのバイオスフェア2
日本の環境科学技術研究所
イネの必要代謝量実験
Gateway
アルテミス3:13ヵ所の着陸候補地
SELENE(かぐや)による月の縦孔の発見
縦孔利用の利点

メディア掲載

SPACEMedia様
https://spacemedia.jp/news/12718

桜井 誠人氏 プロフィール


【経歴】
1996年 早稲田大学理工学研究科応用化学専攻 博士課程修了
1998年 日本学術振興会海外特別研究員(ドイツブレーメン大学)
2000年 東京女子医科大学 医用工学研究施設 助手
2001年 航空宇宙技術研究所 入所
2003年 宇宙航空研究開発機構(上記改編)

【委員歴】
・日本航空宇宙学会 理事 フェロー
・生態工学会 理事
・化学工学会
・マイクログラビティ応用学会 理事

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アルテミス計画に向けた宇宙探査技術の研究
有人宇宙滞在技術(生命維持・環境制御技術)
https://www.kenkai.jaxa.jp/research/exploration/eclss.html

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https://fanfun.jaxa.jp/jaxas/no091/02.html

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