>>【宇宙大学】8/1(木) ハビタブル惑星の放射線環境は?未来の居住地を守ろう/京都大学大学院教授 山敷 庸亮氏

【宇宙大学】宇宙居住のための人工重力施設/鹿島建設株式会社 大野琢也氏

人工重力の第一人者、鹿島建設大野琢也さんに、宇宙大学で初めてご講演いただいた記念すべき回です。

低重力の問題を解決できなければ、人類分断、戦争の遠因になる。だからこそ、建築スケールでの遠心力を利用した「人工重力」が役立つかもしれない。

そう声をあげてきた大野さん。
ですが、40年ほど誰にも相手にされなかったとのこと。

そこで、子ども達に託そうと「宇宙建築概論2014」を作成したところから、大野さんの人生は大きく動き始めます。

第99回 気づくセミナー 宇宙大学(動画あり)

■開催日:2021年7月2日(金)

■講演タイトル:宇宙居住のための人工重力施設 人類が宇宙で恒久的に暮らすための施設検討

■講演者:鹿島建設株式会社 大野 琢也氏

■司会:野本 麻紀氏

▼動画はこちらです。


https://youtu.be/DJarJKgnlN8

「宇宙建築概論2014」をきっかけに、現在のJAXA理事長である山川宏教授、天文家の福江純教授からユニークな指摘をいただいた大野さん。

アメリカ航空宇宙局(NASA)も、「低重力は宇宙進出のために解決すべき5大課題の一つ」と公言しています。ただし、ほとんどが、低重力の問題を薬や運動で克服しようという研究。

そんな中、大野さんが考案するのは、建築スケールでの1Gを実現する回転型人工重力施設

基本にあるのは、大野さんが考える宇宙建築5原則です。

  1. 精神的な核‥‥教育、平和思想
  2. 方向性‥‥上下等の物理的な方向
  3. 避難場所‥‥分節によるリスク分散
  4. 安全安心‥‥遮蔽技術
  5. 回帰性‥‥地球に戻れる身体の保持

大野さんの、
「人工重力施設は、将来必ず必要になると考えます。人類の宇宙での繁栄と平和のため、実現したいと思います。」というラストの言葉が印象的でした。

大野 琢也さん プロフィール

1991年 神戸大学工学部建築学科卒業
1993年 神戸大学大学院工学研究科建築学専攻修士
1993年 鹿島建設入社、設計・エンジニアリング総事業本部
1997年 関西支店建築設計部
2020年 京都大学大学院総合生存学館非常勤講師
2023年 鹿島建設イノベーション推進室・宇宙担当

子供の頃から入社後に至るまで、人類の宇宙進出には重力が大切だと周りに説いて回るも、40年程だれにも相手にされず。
近年、月面居住や火星居住がまじめに議論されるようになり、医学的に低重力の問題点が指摘され始めました。
そのため人工重力が注目されるようになり、大学の非常勤講師までさせていただくようになりました。
周囲からは変わり者に見えるそうですが、実は普通です。

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