火星での建築・居住について、人工重力の第一人者である大野琢也さんにお話しいただきました。
大野さんは、月面居住施設「ルナ・グラス」と、火星居住施設「マース・グラス」の違いを重力の観点から論理的に考察されていて、それは形状の違いとして表れています。
もし本当に火星に住むことになったら?とリアルに考えることのできる内容です。
第46回 気づくセミナー 宇宙大学(動画あり)
■開催日:2021年10月4日(月)
■講演タイトル:宇宙建築 火星ドームシティ 宇宙居住人口が増えたら
■告知ページ:https://peatix.com/event/2891357/
■講演者:鹿島建設株式会社 大野 琢也氏
▼動画はこちらです。
https://youtu.be/Ji3CT0A74Xg
宇宙に人が住むとしたら?
【実現に向けた人口フェーズと人工重力施設】
・10~100人‥‥溶岩孔内 簡易施設
・100~1,000人‥‥溶岩孔内 グラス施設
・1,000~10,000人‥‥グラス建築
・10,000人以上‥‥グラス都市
テラフォーミング化された火星を想定した場合、人はドーム・シティ内で生活することとなります。
【高さ800m(地下部200m)の火星都市の断面概念図】
グラス都市内の地上と高層ビル内は1/3G
壁面に張り付いた居住区は1G近傍で回転
屋上にはヘリポート
エネルギーは、ドーム型の太陽炉で太陽エネルギーを収集し、各都市へ送ります。
ISS(国際宇宙ステーション)に滞在する宇宙飛行士は、筋力の衰えを防ぐため、毎日2時間ほど運動をしなければなりません。
だけど、せっかく訪れた宇宙で運動ばかりするなんてイヤだという人にとっては、日常生活を1G環境下で暮らすことのできる大野さんの考案は願ったりかなったりですね。
大野 琢也さん 関連記事(動画あり)
宇宙居住のための人工重力施設
https://spaceuniversity.jp/post-202107/
宇宙建築と交通機関
https://spaceuniversity.jp/post-202108/
大野 琢也さん プロフィール
1991年 神戸大学工学部建築学科卒業
1993年 神戸大学大学院工学研究科建築学専攻修士
1993年 鹿島建設入社、設計・エンジニアリング総事業本部
1997年 関西支店建築設計部
2020年 京都大学大学院総合生存学館非常勤講師
2023年 鹿島建設イノベーション推進室・宇宙担当
子供の頃から入社後に至るまで、人類の宇宙進出には重力が大切だと周りに説いて回るも、40年程だれにも相手にされず。
近年、月面居住や火星居住がまじめに議論されるようになり、医学的に低重力の問題点が指摘され始めました。
そのため人工重力が注目されるようになり、大学の非常勤講師までさせていただくようになりました。
周囲からは変わり者に見えるそうですが、実は普通です。
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