>>内閣府「宇宙スキル標準(試作版)」に宇宙大学が掲載されました

【宇宙大学】宇宙から新たな医療を、すべての人へ/一般社団法人Space Medical Accelerator 代表理事 後藤 正幸氏

宇宙×医療」を掲げ、脳神経外科医でありSpace Medical Accelerator(SMA)代表理事でもある、後藤正幸さんにお話しいただきました。

SMAでは、宇宙医療に関連する論文、パネルディスカッション、シンポジウムイベント、グローバルな宇宙ビジネス支援など積極的に活動を展開。

有人宇宙開発が地球低軌道から深宇宙へと進む中、ライフサイエンスの研究開発がいかに重要か、日本と海外の事例をふまえ、解説してくださいました。

講師からのメッセージ

宇宙での医療は特殊なものと考えられがちですが、「医療資源が少ない」「その場での診断と治療が必要」など、地上の僻地や災害現場での医療とよく似た課題を抱えています。

さらに、国際宇宙ステーションの微小重力環境を生かした宇宙実験、例えばタンパク質結晶生成による創薬研究や、加齢医学や再生医療などの分野において地上医療に飛躍をもたらす科学的成果が数多く生まれています。

Space Medical Acceleratorは「宇宙から新たな医療を、すべての人へ」をVisionして掲げ、宇宙での医療産業を発展させることを目指しており、現在の活動を分かりやすくお話できればと思います。

第127回 気づくセミナー 宇宙大学(動画あり)

■開催日:2025年3月7日(金)

■講演テーマ:宇宙から新たな医療を、すべての人へ ―Space Medical Acceleratorの挑戦

■講師:一般社団法人Space Medical Accelerator 代表理事、聖麗メモリアル病院 脳神経外科 後藤 正幸氏

■告知ページ:https://peatix.com/event/4304190


https://youtu.be/SDxXE6Ik08I

本講演のアーカイブをご覧いただくと、人間が宇宙を目指すにあたりどのような「からだ」や「こころ」の問題があるのか、理解することができますが、以下に一部をまとめます。

■日本の微小重力を生かしたライフサイエンス研究
・タンパク質結晶生成
・細胞培養
・老化プロセス研究

■世界の微小重力を生かしたライフサイエンス研究
・良質なプラズマ結晶構造を生成
・表面張力によるアミロイド線維作成
・ISS環境下での3次元微生物監視
・レムデシビルの水溶性物質との相互作用を解明

■ISS実験による研究論文数
ライフサイエンス分野は高い割合を占め、増加を続けている

■今後の宇宙実験施設
ISS退役へ向け、民間ステーションや衛星実験施設へ移行

■宇宙空間が人体に与える影響

3大リスク因子
・微小重力:骨・筋肉の減少、脳・視力への影響
・宇宙放射線:DNA損傷、発がんリスク
・閉鎖隔離環境:精神心理ストレス、免疫機能の低下

後藤 正幸氏 プロフィール

後藤 正幸(ごとう まさゆき)氏
一般社団法人Space Medical Accelerator 代表理事
聖麗メモリアル病院 脳神経外科

【プロフィール】
1985年茨城県出身。脳神経外科医、宇宙航空医学認定医。
人の宇宙進出に医療者として貢献したいと考え、2019年に宇宙ビジネスの実践コミュニティABLabで「宇宙医療プロジェクト」を立ち上げる。
2022年一般社団法人Space Medical Acceleratorを創業、代表理事就任。
人の健康に関わる「医学」の立場から、宇宙で起こり得る問題や科学的成果などについて最新の研究論文やビジネスニュースなどを日々分析し、医療やライフサイエンス分野で新たな宇宙事業を目指す企業などに対して、専門チームとしての知見を提供している。趣味はキャンプやマラソン、小学生の息子2人と遊ぶこと。

公式:https://space-healthcare.jp/
X(公式):https://x.com/SMA_officialJP
X(個人):https://x.com/masayuki198553

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