特別講演として、宇宙業界の方なら知らない人はいない一般社団法人宇宙旅客輸送推進協議会 代表理事の稲谷芳文氏にご講演いただきました。稲谷氏は長年JAXAで活躍され、今も宇宙業界を牽引されています。
「稲谷先生特別講演」第1弾となる今回は、タイトルどおり、富裕層でなくても誰でも行ける宇宙旅行について、ていねいに解説していただきました。
宇宙旅行のチケットが1枚あたり1億円や1千万円となると、なかなか誰でも行ける価格とは言えません。だけど、例えば「100万円」なら?一気に身近に感じますよね。この100万円という数字から始まり、具体的な計算とマーケットを示してくださった講義には、有料級とのお声が複数寄せられました。
ロケットの歴史や観光丸の話など、宇宙旅行の大衆化へ向け、広い視野で考えることのできる内容です。
稲谷先生からのメッセージ
ロケットに乗って誰でも宇宙に出かけることのできる世界を作りたいと思います。
宇宙飛行士というとても限られた人たちや、大変な訓練をするようなことでなく、何10億円ものお金を出せる大金持ちでもなく、一般の人が飛行機に乗るような感じで宇宙にでかけられたらとてもよいと思います。
現在のロケットからどのように進化させればよいのか?
切符一枚の値段をいくらくらいまで下げられるのか?
どのくらいの乗客が期待できるのか?
現在の民間航空のような安全性はどうやったら確保されるのか?
事故が起きたら保険でカバーされるのか?
‥‥などなどのことについて、皆さんと考えたいと思います。
第106回 気づくセミナー 宇宙大学(動画あり)
■開催日:2024年3月22日(金)
■講演タイトル:誰でも行ける宇宙旅行 ~ロケットの次の進化~
■告知ページ:https://peatix.com/event/3873313
■講演者:稲谷 芳文氏
国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 名誉教授
一般社団法人 宇宙旅客輸送推進協議会 代表理事
ムーンビレッジアソシエーション 理事
▼動画はこちらです。
https://youtu.be/AdS2IPGmNME
【内容】
ロケットの歴史
日米欧の宇宙輸送の現状
宇宙旅行を次の目標に位置づける動機は?
「宇宙に出かける」とは?
宇宙旅行:宇宙旅行の切符1枚、いくらだったら自分でお金を払って行く気になる?
「観光丸」で行く宇宙旅行
宇宙旅行事業、大陸間高速輸送
誰でも行ける宇宙旅行のために必要なこと
スペースポートビジネス
技術の課題
日本の宇宙輸送スタートアップの活動
メディア掲載
SPACE Media様
https://spacemedia.jp/news/12170
稲谷 芳文氏 プロフィール
稲谷 芳文(いなたに よしふみ)氏
国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 名誉教授
一般社団法人 宇宙旅客輸送推進協議会 代表理事
ムーンビレッジアソシエーション 理事
【略歴】
宇宙科学研究所宇宙航行システム研究系 教授
東京大学大学院工学系研究科教授(併)
JAXA宇宙科学研究所副所長、特別参与などを経て退職、現在に至る
日本航空宇宙学会、AIAA各会員、IAA会員、日本ロケット協会会長 (2012,2013)
【プロフィール】
宇宙科学の世界でロケットや衛星・探査機などの研究をしてきました。
また、次の時代のロケットのあるべき姿を考え、宇宙への輸送をより一般大衆化するため、飛行機のように運航できる再使用型ロケットの研究をおこない、世界に先駆けて再使用型のロケットの離着陸実験を行うなど日本の研究活動を先導してきました。
この地上と宇宙空間との往復飛行の研究成果を生かして、小惑星からの帰還ミッションである「はやぶさ」のカプセルを作って、世界初の地球への帰還とサンプルの回収を成功させました。
現在では、これらの経験を活かして、民間主導の宇宙旅客輸送の推進や、月における人類の持続的滞在から人類の宇宙活動の将来像について議論するプラットフォームを主催し、世の中を前に進めるための発信を行なっています。
SLA 一般社団法人宇宙旅客輸送推進協議会
https://spaceliner.jp
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